バイクの【走る・曲がる・止まる】中で最も安全にかかわってくるのが【止まる】のブレーキです。
ブレーキのメンテナンスは非常に重要で、メンテナンス行う場合の知識と専用の工具が数多く必要で敷居が凄く高い感じがします。しかしブレーキのメンテナンスができれば『愛車は自分で整備してるぜ~!』と胸をはって言えてカッコいい思います(笑)。
又、ブレーキのメンテナンス知識があれば何か簡単なメンテナンスの時にブレーキにも気配りができ愛車の状態なども把握しやすくなります。メンテナンス計画も立てやすくなるのでチャレンジしたいと考えています。
ブレーキのメンテナンスは【ブレーキフルード交換・ブレーキパット交換・キャリパー清掃・ブレーキホース交換・ブレーキディスク交換・キャリパーオーバーホール】と非常に沢山ありますので全部自分で行うのは大変だと思いますが、ブレーキメンテナンスの工程はそれぞれが密接しているので1個できれば2個・3個とできるようになる感じがします。
ブレーキのメンテナンスの中でも入口的な【ブレーキフルードの交換】からチャレンジしていきたいと思います。
ブレーキフルードの交換はメンテナンスを怠り、オイルが劣化したまま使用し続けると、ベーパロック(ブレーキオイルが沸騰しブレーキが利かなくなるます)が起きて危険です。ブレーキは非常に重要なメンテナンスなので定期的にブレーキオイルの交換を行って下さい。
ブレーキフルード交換 メンテナンス 事前準備
・ブレーキフルード交換の頻度と工賃目安(HPより)
ブレーキフルード交換 10,000km or 2年毎
フロント【2輪館工賃:3,000+税】【ナップス工賃:3,000+税】【バイク屋:4,500+税】
リア 【2輪館工賃:1,500+税】【ナップス工賃:1,500+税】【バイク屋:3,000+税】
ブレーキフルードのタンク(フロント・リア)に着いている窓を見て、フルードが茶色く濁っていれば交換の時期です。少なくなっている場合は漏れていなければ通常はブレーキーパットが減っているので交換が近いと言えます。少なくなったからといって補充するとブレーキパッドを交換すると溢れるので注意が必要です。通常は補充する必要はありません。何らかの理由でアンダーレベルを切っていたら補充が必要ですが補充の場合はできれば同じメーカーにしたいです。
ブレーキ系のメンテナンスは関連して行う事が多いので自分でできるようになればメンテナンス費用が圧縮できます。
ブレーキパット交換 10,000km or 3mm以下
フロント【2輪館工賃:3,000+税】【ナップス工賃:3,600+税】【バイク屋:7,200+税】
リア 【2輪館工賃:1,500+税】【ナップス工賃:1,800+税】【バイク屋:3,600+税】
キャリパー清掃 10,000km
フロント【2輪館工賃:3,000+税】 【バイク屋6,000+税】
リア 【2輪館工賃:1,500+税】 【バイク屋3,000+税】
ブレーキホース交換 30,000km or 4年
フロント【2輪館工賃:5,500+税】【ナップス工賃:5,500+税】
リア 【2輪館工賃:3,500+税】【ナップス工賃:3,500+税】
ブレーキディスク交換 30,000km~50,000km
フロント【2輪館工賃:5,500+税】【ナップス工賃:4,000+税】
リア 【2輪館工賃:3,500+税】【ナップス工賃:2,800+税】
ブレーキマスターO/H 40,000km or 4年
【2輪館工賃:5,5000+税】
ブレーキキャリパーO/H 40,000km or 4年
フロント【2輪館工賃:11,000+税】 【バイク屋:12,000+税】
リア 【2輪館工賃:5,5000+税】
BONNEVILLE T120 愛車情報
ブレーキフルード適合規格 DOT 4
ブリーダー口径 6mm 5mmのホースで丁度いいです。
ブリーダーボルト口径 M8
Triumph Bonneville T120 基本スペック
必要な道具
新品のブレーキフルード
性能的にはワコーズだと思いますが1リットルは多いと思います。バイク3~4台の交換いけるのかな?吸湿性もあるので古いのも使いたくないので500mlのを購入しようと思います。
オイルで有名なカストロールなので安心して使えるかな。値段も少し高い位なので
ブレーキブリーダーボトル
ワンウェイバルブ(逆止弁)とビニールホースとペットボトルがあれば必要ありませんが動画を見ていると簡単そうなので購入を考えています。
負圧式のブレーキブリーディングキット
動画で見る限りではブレーキレバーとメガネレンチの交互作業が要らない感じなので欲しいです。
ブレーキパイプ用メガネレンチ
京都機械工具(KTC) ブリーダープラグめがねレンチ ABX7-08
メガネレンチに厚みがあるのでバイク用のブリーダキャップでは使用すると透明チューブの掛かりが悪くなります。サンダーで少し薄く削ろうか悩みましたが、取り敢えず最初緩める時と最後の本締めの時に使用しています。
紙ウエス
在庫が無ければキッチンペーパーでも代用できます。
ブレーキフルード交換 の仕方
ブレーキフルード交換 動画
ブレーキブリーダーボトルを使用した動画です。見ていると凄く簡単にしているので私にもできそな感じがします。
BONNEVILLE T100 の動画ですが
マフラー取り外し・ブレーキフルード交換・キャリパー清掃・ブレーキパット交換と流れで作業しています。
ブレーキフルード交換 手順
***********作業を行う上での注意事項***********
・ブレーキフルードはDOT4指定車種とDOT3またはDOT4いずれかを使用する車種があります。銘柄やメーカー異なるブレーキフルードを使用しないで下さい。
・ブレーキフルード交換時、ダブルディスクキャリパーの場合は左側(遠い側)のキャリパーから交換作業を行う。
・ABSが付いている車両は交換作業中は絶対にKEYをONにしない。ABSラインにエアが入るとディーラーに持っていかないと直せません。
・リザーバータンクからエアーを吸わないよう空にしない。リザーバータンクが1/3以下にならないようにブレーキフルードを補充しながら作業を行う。作業終了後ブリーダー内部に残ったブレーキフルードを紙やウエス等で吸い取ります。
・作業終了したらリザーバータンクとキャリパーを重点的に洗車を行います。ブレーキフルードが付着していると塗装剝げの原因になります。キャリパーのブリーダーのねじ山からフルードが上がり、ホイールに付着して塗装剝げになる場合があります。フルード交換から10分後位にブリーダーを再度確認し、パーツクリーナーや水等でフルードを除去しましょう。
交換作業手順はALLメンテナンスさんを参考にさせていただきました。非常に解りやすくまとめてありました。
1.車体を水平にする
・ブレーキフルード交換は車体を水平にし、リザーバータンクが可能な限り水平な状態になるよう、ハンドルの向きやセンタースタンド・メンテナンススタンドを使用して調整して下さい。
2.リザーバータンク内のブレーキフルードを取り除く
・ブレーキフルードは塗装・プラスチック・ゴムを痛めるので付着しないようウエス等で覆い養生して作業する。こぼして付着した場合は直ぐに水等を使用し速やかに除去して下さい。塗装剝げの原因になります。
燃料タンク上部や、メーター類にもウエスで養生します。
ブレーキフルードキャップを取り外しましょう。
プラスねじで複数箇所固定されている場合、ナメやすいのでドライバーを強めに押付けながら(押し8割、回し2割)緩めましょう。
ダイアフラムプレートとダイアフラムを取り外しましょう。
ブレーキフルードをスポイトで全て抜き取りましょう。底が見えるまで抜き取って頂いて構いません。
※古いフルードは新品に比べると少し黄色いですね。窓から見ると透明に見えたのですが・・・
リザーバータンク内に汚れがある場合は、ウエスを使用して拭き取りましょう。
3.ブリーダーにメガネレンチ・ホースをセット
リザーバータンクに新しいブレーキフルードを注ぎます。
新しいブレーキフルードで古いブレーキフルードを押し出す形でブレーキフルードの交換を行っていきます。
まず、ダイヤフラムを被せましょう。
車種によりブレーキレバーを握るとリザーバータンクからフルードが噴水のように飛び出す場合があります。
カウル等の塗装面に付着すると、剥がれる原因になるのでダイヤフラムを被せます。
※フルードの減りが見えないので外した状態でブレーキレバーを握ったらプツプツ吹き出たので被せた状態でブレーキレバーを握ったほうが良いです。
ブレーキレバーを数回握りましょう。
これによりマスターシリンダーへつながる出入り口のエアを取ります
ブリーダーキャップを取り外しましょう。
ブリーダーのゴムキャップ(ブリーダーキャップ)を取り外すとブリーダーが現れます。
ブリーダーから古いブレーキフルードを出していきます。
ブリーダーボルトを一旦緩めて固着を取り、軽く締め付けましょう。
※ブリーダーボルトは結構硬いので固着を取る時とフルード交換完了後の本締めは制度の良い工具を使うのが良いです。
先にメガネレンチを装着し、続いて透明ゴムホースを繋ぎます。
透明ゴムホースはネットショップよりホームセンターでの購入が安価に入手可能です。
ブレーキフルードが新品と入れ替わった事を判断するには、ブレーキフルードの色で確認します。ピンクの着色されたホースを使用すると、フルードが入れ替わったか色が分からない為、透明なゴムホースを使用します。
※横着して最初のホースでやりましたがフルードが入れ替わったか解りませんでした。
ホースサイズはブリーダー先端外径より1mm小さい製品がお勧めです。
ブリーダー先端外径が6mmの場合、5mmのホースがお勧めとなります。通常は5mmのホースで対応します。小さいホースを使用するメリットは、ブレーキフルード交換中にホースとブリーダーの隙間からエアが入り、キャリパー内からエアが出てきている錯覚を防ぐことが出来ます。
※5mmの透明ホースとホースバンドを買ってあったので交換しました。
ゴムホースの先にフルード受けを配置しましょう。
専用容器のほうが安定していますし、ホースが外れないのでおすすめです。
4.ブレーキフルード交換開始
ダブルディスクブレーキの場合、左側のキャリパーから先にフルード交換を行います。
ブレーキホースが長い順にフルード交換を行う為、左側のキャリパーから行う事になります。
4―1.ブレーキレバーを握る
左手でブレーキレバーを握った状態を保持します。
4―2.メガネレンチを半時計回りに回す
右手でメガネレンチを少しずつ緩めます。
するとブレーキレバーがグリップに近づいてきます。
この時、ブレーキレバーは握ったまま保持しましょう。ブレーキレバーは離さないで下さい。
※ブレーキフルード交換作業時、ブレーキレバーはゆっくり握りましょう。早く握ると微細なエア―が入り易くなります。
※ブリーダーは可能な限り緩めた状態でフルード交換を行いましょう。ブリーダーの開き量が少ない状態でフルード交換をすると、フルードに圧力が掛かりエアーが混入しやすくなる傾向にあります。
4―3.ブリーダーを閉める
ブレーキレバーがグリップに接触した段階でメガネレンチ時計回りに回して締めましょう。
※ブレーキフルードが入れ替わったことを確認し、作業を終了する際は、ブレーキレバーがグリップに当たる直前に締めて下さい。エアーがブリーダー側からエア混入を防ぎます。
4―4.ブレーキレバーを3回握る
ブリーダーを締めた状態でブレーキレバーを2~3回ほど握りましょう。
ブレーキレバーの感触が固くなるまでが目安です。
4―5.ブレーキフルードを適宜補充
フルードが排出されるにつれリザーバータンク内のフルードは少なくなり最終的にエアを吸ってしまいます。
LOWWERレベルを目安にブレーキフルードを補充しましょう。(1/3以下にしない様に注意)
ブレーキフルードが無くなりエアーを吸った場合の対処法
- リザーバータンクからエアーを吸った場合、リザーバータンクにブレーキフルードを補充した後、ブレーキレバーを何度か握り感触が出てくるか確認しましょう。
感触が無い場合は、マスターシリンダーにエアが噛んでいる為、マスターシリンダーのエア抜きをする必要があります。 - マスターシリンダーのバンジョーボルト周辺にウエスを敷きます。
- バンジョーボルトをメガネレンチで緩めた状態でブレーキレバーを握り、ブレーキフルードが出てくる事を確認します。
- 3を何回か行うと、ブレーキレバーの感触が戻るはずです。それでも直らない場合はキャリパーのエア抜きをしつこく行うとブレーキレバーの感触が戻りエアーが抜けます。
フロントフォークの油面調整する際の注射器をブリーダーにセットし、ブリーダーを緩めた状態で注射器を何回か引くと簡単にエア抜き出来ます。
4―6.プロセス4―1に戻り繰り返す
ブレーキフルード交換目安
ブレーキフルードの色が変わるまで交換しましょう。
ブレーキフルードの色は、劣化するにつれ茶色に近い色になります。
※着色されたブレーキフルードもあります。レーシングブレーキフルードは黄色いものもあり、残量が分かり易い緑色のブレーキフルードも市販されています。
一般的なフルードの色は、透明です。
4―7.ブリーダー内部のブレーキフルードを取り除く
ブリーダー内部に残ったブレーキフルードを紙ウエス等で吸い取りましょう。
エア抜き終了後ブリーダーの中には微量のブレーキフルードが残っており、放置すると錆の原因になります。
4―8.ブリーダーキャップを被せる
ブリーダーキャップを被せましょう。
キャップが無い場合、雨水が溜まり放置されると錆が発生する原因になるので新品のブリーダーキャップを取り付けましょう。
5.ブレーキフルードを補充する
ブレーキフルードをUPPERレベルまで補充しましょう。
LOWERレベルからUPPERレベルの中間位置ではなくUPPERレベルまで補充します。
走行中に車体を傾けた際にエアを吸わないようにする為です。
6.リザーバータンクキャップを取り付ける
ダイヤフラムに付着したフルードをウエスで拭き取った後、リザーバータンクに取り付けましょう。
ダイアフラムとリザーバータンクの接地面のフルードが残っていると、キャップを締め付けた際に滲んで塗装済みのリザーバータンクは剥げてしまいます。
破けている場合は、正常に機能しないので交換する必要があります。
ブレーキフルードをリザーブタンクに入れすぎると、溢れるのでウエスでリザーブタンクを巻き付けながらダイアフラム被せると良いでしょう。
ダイヤフラムプレートを取り付けます。
ダイアフラムプレート中心には穴が開いています。この穴がふさがっている場合は汚れを除去しましょう。
穴の役割は、フルードが少なくなる事でリザーバータンク内が負圧にならない為に大気圧状態を維持する為の空気を送る穴です。
リザーバータンクキャップを取り付けましょう。
キャップ内側にスリット(溝)が切り込んであります。
このスリットも内部が負圧にならない為に外から空気を送る通り道なので、切り込みに汚れが付着している場合は取り除きましょう。
負圧になると、ブレーキレバーが軟らかい印象になります。
リザーバータンクキャップボルトを取り付けましょう。
画像のような樹脂系リザーバータンクの場合、締め付けすぎるとが割れる場合があるので力の掛けすぎには注意しましょう。
取り外し時にナメたネジは使用せず新品ネジを購入しましょう。
金属のリザーバータンクの場合は、塗装剥げ防止のためにブレーキフルード交換が終わったら水の含んだウエスで拭いておくと安心です。
※フルードは透明で解りにくいので水を掛けました。
7.動作点検
ブレーキフルード交換後は、ブレーキレバーを握りしっかり手ごたえがあるか確認しましょう。全ての整備終了後、試走して各部動作点検を行いましょう。
ブレーキレバーが軟らかい場合はエアが噛んでいる可能性があるので再度エア抜きしましょう。エア抜きしてエアが透明ホースに出てこない場合は、問題ありません。
ブレーキの特性上で、柔らかい印象をうけたり、硬い印象をうけるものがあります。初期制動が高いタイプ(NISSINに多い)のものは感触がカチっと硬い印象を受けますが、握り量に比例して効くようなタイプ(住友電工に多い)は、握り分だけ制動するのでエアが噛んでいる印象を受けるかもしれません。エア混入の判断をするには、エア抜きを行うしかありません。
8.洗車
リザーバータンクとキャリパーを重点的に、洗車を行いましょう。ブレーキフルードが付着していると塗装剝げの原因になります。
キャリパーのブリーダーのねじ山からフルードが上がり、ホイールに付着して塗装剝げになる場合があります。フルード交換から10分後位にブリーダーを再度確認し、パーツクリーナーや水でフルードを除去しましょう。
まとめ
- ブレーキフルード交換前、車体を水平にする。
- ブレーキフルード交換手順は、ブレーキレバーを押す→ブリーダーを緩める→ブリーダーを締める→ブレーキレバーを離す→ブレーキレバーを2回ほど握る。
- ブレーキフルード交換時、ダブルディスクキャリパーの場合は左側(遠い側)のキャリパーから交換作業を行う。
- ブレーキフルード交換後、リザーバータンクにブレーキフルードをUPPERレベルまで補充する。
- ブレーキフルード交換終了後、ブリーダー内のフルードを除去する。
- エア抜きが失敗したら、再度エア抜きを繰り返す。
困ったらバイクショップにお願いをする。
メンテナンスが苦手な人は交換手順をみて不安に感じる人もいると思います。私もその一人でした(笑)なんとか自分でメンテナンスしたいという気持ちがあったので、ちょこちょこ道具を揃えながら動画をみたりバイクショップの作業を見たりしていたら不安が少なくなりました。
メンテナンスが苦手な人は良くわからなかったりと、メンテナンスを怠ってしまう要因もあると思います。メンテナンスはバイクにとっても重要です。メンテナンスを怠ると事故や遠方での故障に繋がります。不安があるのであればバイクショップへ依頼して愛車を快適な状態で維持しツーリング等を楽しみましょう。
※自分のバイクを整備するための忘記録的な意味で書いていますので一部他のバイクで合わない部分などあると思いますが、整備初心者の素人が作成していますのでお許し願います。完璧を求める方は他に素晴らしい整備記録のHPがありますのでそちらをご参考願います。
自分の愛車を整備したら写真や困ったことなどUPしていきたいと考えています。
コメント
コメント一覧 (2件)
どうもー、おっちーです(^^)
ぷくぷく福耳さんこんにちは!
おー、凄いですね!
自分でブレーキフルードの交換が出来るってかっこいいです(^^)
写真が多くて分かりやいし。
今回も面白かったです!
ではではまた来まーす(^^)/
おっちーさん
こんばんは~
自分で出来そうなことをしていかないと
サラリーマンのお小遣いは少ないので(笑)
また、よろしくです~