【CB1100EX】「台風なのにバイク弄るバカじゃない?」妻の呆れ顔を背に、お盆休みは足回りメンテに捧げた話(ホイール&キャリパー編)
連日の猛暑。照りつける太陽とアスファルトの熱気で、とてもじゃないけれど昼間にツーリングへ出かける気力は湧きません。
どこへ行っても混雑しているお盆休み。「それなら、家でじっくり愛車と向き合う絶好のチャンスではないか?」
今年の冬には車検も控えています。普段の洗車やチェーン清掃ではなかなか手の回らない、腰を据えた重整備を敢行することにしました。 まとまった休みだからこそ、1日で終わらなくても2日かけてじっくりやればいい。そう意気込んで準備を進めていた矢先、お盆休み突入と同時に台風が直撃。
バイク置き場へ向かう私を見て、妻が一言。
「ねぇ、台風が来てるのにバイク弄るバカじゃないの?」
……ごもっともな意見です。しかし、ライダーにとって「外に出られない荒天」こそ、最高の整備籠もり日和。雨風の音をBGMに、CB1100EXのメンテナンスをスタートしました。
実のところ、今回のお盆休みで「ホイールグリスアップ」「ブレーキキャリパー清掃」「エンジンプラグ交換」「ブレーキフルード交換」「バッテリー交換」と一気に作業したのですが、すべて書くと辞書みたいな長さになるため、今回は【足回りリフレッシュ(ホイール&キャリパー)編】をお届けします。
1. 足回りの分解とホイールベアリングのグリスアップ
CB1100EXのような重量車(約260kg)は、加減速やコーナリング時に足回りのベアリングへかかる負荷が非常に大きいです。まずは前輪側から作業をスタートし、ホイールを取り外していきます。

これ一台あると便利です。多分一生使えると思う。ガレージがないと普段は邪魔だけど。。。
【超重要】ジャッキアップ「前」に必ずやっておくべきこと
前輪を外すにはフロントのジャッキアップが必須ですが、ここでDIY整備の超重要ポイント(落とし穴)があります。
⚠️ ジャッキアップ前に、必ずボルト類を緩めておくこと!
- アクスルボルト(アクスルシャフト/クランプボルト)
- ブレーキキャリパーの取り付けボルト
車体を浮かせてから高トルクで締まっているボルトを緩めようとすると、車体がグラついて非常に危険ですし、タイヤが回ってしまってボルトが外せなくなります。
必ず車体が接地して安定している状態で、あらかじめ各ボルトを「手で回せる手前」まで緩めておきます。
各ボルトを緩めたら、いよいよフロントを確実にジャッキアップ。ブレーキキャリパーを外し、アクスルシャフトを抜いてホイールを取り外します。
アクセルシャフトを緩めるときには、こんな工具が必要になります。

一般品ならそんなに高くないから1つあると便利です。
純正ベアリングの罠?「5年放置」でカピカピになる理由
だいたい純正ベアリングって、工場出荷状態では「申し訳程度」にしかグリスが入っていないことが多いんですよね。
新車から5年ほど経過した車両のダストシールを開けてみると、案の定グリスが乾いてカピカピ状態になっているケースが珍しくありません。異音やガタが出ていなくても、定期的な給脂がいかに大切かがよく分かります。
現状チェック:ガタ・ゴリ感の有無
ダストシールを傷つけないよう慎重に外し、まずは現状を点検します。 指でインナーレースをゆっくり回してみて、
- ゴリゴリ感や引っかかりはないか?
- 左右・前後にガタつきはないか?
をしっかりチェック。幸いにもベアリング自体に深刻なダメージや打痕はなかったので、今回は「洗浄+再グリスアップ」でリフレッシュすることにしました。
ダストシートを外すのにこんな工夫を使うと、簡単に外せます。

カバーを外すのにこんな工夫があると、簡単に外せます。

洗浄と「30%充填」のこだわり
まずは古い劣化したグリスをパーツクリーナーで綺麗に洗い流し、水分と溶剤を完全にエアやウエスで乾かします。
ここから新しい耐水・極圧グリスを充填していくわけですが、ひとつ大事なポイントがあります。
「グリスはパンパンに詰めすぎない(約30%がベスト)」
「たっぷり入れた方が安心」と思いがちですが、実はグリスを100%詰めすぎると、走行時の内部摩擦で熱がこもって放熱できなくなるという説もあります。そのため、充填量はだいたい30%程度に抑えるのがセオリーです。
べアリングとかアクスルシャフトとかはこのグリスを使うんです。

手のひらにグリスを取り、ベアリングの隙間に押し込むようにして充填。指でインナーレースをグイグイと回していくと、内部までしっかりグリスが浸透していきます。最初は「少し控えめかな?」と思っても、実際に走らせれば遠心力と熱で全体に綺麗に馴染んでくれます。
ちょっとクリスを入れすぎた感じです。50%以上入ったかもしれないけど、走れば馴染むだろう。。。。

仕上げにダストシールのリップ部にも薄くグリスを塗布し、元の位置へ丁寧に組み戻して完了です!
私の止水目的のためのグリスは、オフロードバイク用のグリスを使ってます。たっぷり入っているので、いっぱい死ぬほど使っても全然減りません。多分一生かかっても使い切れないと思う。
それに青いから、どこ塗ったかっていうのはすぐ分かるくて便利です。

反対側も同じようにグリスアップしたら完了です。
タイヤを戻す前に、もしかしてと思ってフェンダーの裏を見たら、少し錆びていたので、きれいに清掃しました。

こんな感じでタイヤ止めを使うと、アクスルシャフトは戻しやすいです。それとタイヤの向きがあるので、注意してね。

こんな感じでアクスルシャフトを締めないと、供廻りして締められないので注意が必要です。
この時に重要な失敗が気づかなかったため、やり直しになりました。

何を失敗したかというと、カラーが左と右逆でした。間違えないように、ちゃんとわかるように置いといたんだけど、おかしいなぁ。


ギアホイルのレアリング、グリスアップは台風が来て作業中断だったので、続きは次の日に行いました。写真の順番とかちょっとおかしいのがありますけど、すみません。
アクセルシャフトを引き抜く前に、チェーンラインの確認とチェーンのテンションを確認しておくのを忘れたのでチェック。


リアタイヤ外したところです。リアブレーキキャリパーは、何しとかないとブレーキホースにテンションがかかるので、注意が必要です。

フロントと同じようにダストシール外してベアリングカバーを外します。

グリスも入れすぎずに充填量50%程度で

写真に無いですがハブダンパー所にもベアリングあるのでリアはベアリング3個です。

反対側も同じようにグリスアップします。グリスが結構スカスカでした。5年経つとこんな感じなのかな。

ゴム製品が少しくたびれた感じなので、こいつを使いました。効果があるかどうか不明ですが、そんな高いものじゃないのでやってます。

ハブダンパーも少しくたびれた感じなので、外してきれいに掃除して、また組み直ししました。


リアタイヤを戻したら、チェーンのラインを確認します。

チェーンの張りも確認します。30㎜以内なので、20㎜から25㎜以内で調整しました。

リアアスクルシャフトを戻すときも、ともに回りするので、両方押さえないと締められません。
あと、アクスルシャフトを戻すときは、タイヤ止めがあると戻しやすいです。

トルクレンチで戻したと思うけど、もしかしたらこれ、タイヤ外す時の写真かな。ちなみに113Nです。

2. ブレーキキャリパーの丸洗いとピストン揉み出し
ホイールを外したついでに、ブレーキキャリパーの清掃も行います。ブレーキダストで真っ黒になったキャリパーは、見た目だけでなくブレーキのタッチや引きずりの原因にもなります。
- 丸洗い: キャリパーを外し、中性洗剤と使い古しの歯ブラシを使って、こびりついたブレーキダストをゴシゴシと水洗いします。
- ピストンの揉み出し: ブレーキレバーを少し握ってピストンを押し出し、全周を綺麗に磨き上げます。
- 潤滑と押し戻し: 綺麗になったピストン側面に専用のシリコングリス(またはメタルラバー)を薄く塗布し、ピストンツールを使って奥まで押し戻します。これを数回繰り返し、ピストンの動きをスムーズ(揉み出し)にします。
ブレーキ系をメンテナンスする時には必須です。
見違えるほど綺麗になり、ピストンの動きもスルスルになりました。

反対側も綺麗になりましたが、この後事件が起きました。
いつもは両方のピストンもみ出しが終わってからキャリパーを取り付けてましたが、こっち側のキャリパーをもみ出してたら反対側のピストンが抜けちゃってました。これでフルードの入れ替え決定です。
大事になっちゃったので、今後はキャリパー一つずつ片付けてないとダメかもしれないな。。。。

こちらの記事では詳しくキャリパー清掃が書いてあります。

台風が近づいてきて、大雨が降り出したので、大慌てでキャリパー清掃をして終了しました。写真が余りなくてすみません。
この銅板のピンとリターナがいつも戻すのに時間がかかるので、リアキャリパー清掃するときには必ず写真を撮るようにしています。

3. まとめ:トラブルだらけでも、やっぱりバイク弄りは楽しい
「台風が来てるのにバイク弄るバカじゃない?」という妻の冷ややかな一言から始まった、今回のお盆休みガレージ籠もり整備。
- ホイールカラーを左右逆に組んでやり直したり……
- 揉み出し中に反対側のピストンがスポンと抜けて大惨事(フルード全交換が確定)になったり……
- 台風の大雨が降り出して大慌てで作業を終わらせたり……
と、一筋縄ではいかないトラブル続きの2日間でした。
すべてのパーツを組み戻し、車体を降ろして取り回してみた感想はというと――
「……うん、軽くなった……気がする!!(多分プラシーボ)」
よく「押し引きが劇的に軽くなった!」なんてインプレを見かけますが、正直なところそこまでの劇的変化は感じられませんでした(笑)。「ちょっと滑らかになったかな?」という気休め程度の感覚です。
でも、それで十分なんです。
大雨の音を聞きながら、あれこれ試行錯誤して愛車の金属パーツと向き合う時間そのものが、ライダーにとっては贅沢で楽しいひととき。冬の車検に向けた良いリフレッシュになりました。
妻からの「呆れ顔」は最後まで変わりませんでしたが、自分としては大満足のお盆休みです。
さて次回は、ピストンが抜けたせいで急遽やることになった【ブレーキフルード全交換&プラグ・バッテリー交換編】をお届けします!
▼ バイクのメンテナンスに使用したケミカル類はこちらにまとめています 。

▼ キャリパー清掃の詳しい手順・構造はこちらの記事もどうぞさい。



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