よくチェーンが「伸びる」という表現を聞きます。一般的にチェーンが伸びると、『操作性・乗り心地が悪化する。』『燃費が悪くなる。』『チェーンの騒音が大きくなる。』と言われますが実際にはチェーンは伸びません。金属製品ですからゴムのように劣化して伸びません。
ドライブチェーンは、走行を重ねるごとに、ピンとローラーが磨耗します。1つ1つのリンクの磨耗はわずかですが、チェーン全体で見ると、それは「伸び」という形で現れます。チェーンの伸びが進行し、走行中にチェーンが外れたり、破断したりすると大きな事故に繋がるので注意が必要です。チェーンの伸びが発生した場合ある程度調整することが可能ですが、ある程度走行距離を走っているようでしたら無理くり調整するよりも早めの交換をしたほうが良いと思います。
また、チェーンと同様にスプロケットの磨耗状態も定期的に確認しましょう。減ってしまって先が尖ってしまっているものは交換が必要です。チェーンを交換する時にスプロケットを交換すれば面倒なメンテナンスも軽減できますし、バイクショップに寄っては工賃の割引があります。
チェーン・スプロケットの交換作業はブレーキメンテンス同様に重要です。色々なHPを見て調べてみると難易度はブレーキメンテンス同様に高いです。専用のチェーンカッター、かしめる特殊の道具が必要になりますし、ドライブチェーンは重要保安部品になります。
交換メンテナンス頻度は「15,000~20,000km」と1回交換したらしばらく交換は必要ない感じですし、最初は失敗している人も意外多いのでバイクショップにお願いしたほうがよいと思います。
しかし私は自分でもこれ位のレベルまでのメンテナンスが出来ればいいな~と思っていますので機会があればチャレンジしたいです。
チェーン交換 事前準備
・チェーン交換 頻度と工賃目安(HPより)
チェーン交換時期15,000~20,000km(適切なメンテナンスがされている場合)
【2輪館工賃:2,500+税】【ナップス工賃:2,500+税】
BONNEVILLE T120 愛車情報
チェーンサイズ 525
標準チェーンリンク数 100
スプロケット歯数・前 17
スプロケット歯数・後 37
カシメ完了の目安となるピンの直径サイズ
525ZVM-X 寸法:5.7mm以上
Triumph Bonneville T120 基本スペック
※ネットで情報を集めたものです。まだ愛車に使用していない用品もありますのでご注意願います。
必要な道具
- 新品のチェーン
チェーンはDID(大同工業株式会社)にしようと考えています。HPが丁寧に作りこまれていて初心者の私が役立つ情報も解りやすくまとめてありますし、製品評判も良い評価が多いです。
DID ダイドー:ZVM-Xシリーズチェーン 525ZVM-X シルバー 【カシメ(ZJ)ジョイント付属】 DID:ダイドー 商品番号:525ZVM-X_S&S-100 販売価格:¥17,765(税込)
黒いチェーンを購入しました。メッキしているので錆びにくそうなのと黒でカッコいい!とかんじたのでゴールドと最後まで悩みました。
- チェーンカッター&カシメ工具
DIDで専用の工具を出しています。これひとつでチェーンのカット、プレートの圧入、カシメ作業の1台3役が可能で プロ御用達のコンパクトツールです。
安い工具もありますが「2回目でピンが曲がって使えない」などの書き込みもありましたのでメーカー推奨品の購入を考えています。
「かし丸君」KM500R ¥17,490(税込価格)
これひとつでチェーンのカット、プレートの圧入、カシメ作業の1台3役が可能。
(作業には27mmと19mmのメガネレンチが必要です)
他のチェーンメーカーにもできそうな感じで、これがないとチェーンを切るときにグラインダーが必要になりますので作業の危険度があがるので購入を考えています。
※純正チェーン見るとチェーンジョイント無いから最初の交換の時にはグラインダーが多分あった方がよいと思います。
- 工具類
メガネレンチ27mm かしまる君 本体 用
メガネレンチ19mm かしまる君 ボルト 用
本当はこちらが欲しいのですが・・・
今はまだ購入できないのでこちらをメガネレンチの変わりに使用しています。
- あると便利なもの
短めのタイラップ2本、ウェス
チェーン交換 の仕方
チェーン交換 動画
DIDメーカーのチェーンメンテHPです。
チェーン交換ツール「かし丸君」を利用した、チェーン交換を説明しています。
凄く解りやすい動画です。チェーン交換したこと無くても見ただけで出来るような気がしてきました(笑)。
- BONNEVILLE の動画です。サンダーでピンを削っています。
チェーン交換 手順
※グラインダーを使用して、チェーンをカットすると火花が盛大に出て危険ですし火花の養生も必要で手間がかかるので、私は「かしまる君」の使用を考えています。
※純正チェーン見るとチェーンジョイント無いから最初の交換の時にはグラインダーが多分あった方がよいと思います。
ピンを削ってかし丸君を使おうと考えていましたがベアリング交換した後でしたのでリアタイヤを外してあったのでプレート毎切断しました。時間も押していたので。。。
・古いチェーンをかし丸君でカットする
かしまる君をセットしやすい位置にチェーンジョイントを持ってくる。切るピンは進行方向側のピンをきる。
かしまる君のU字ホルダーはAの位置で合わせ、手でカットピンを回して仮止めする。プレートとカットピンが直角になっている事を目視で確認する。直角になっていないとカットピンが折れます。
ボルトを締めるとき最初の1ストローク目はゆっくり回し古いピンが押し出されているか確認しながら作業を進める。古いピンが動き出したらプレートから抜けるまで回す。作業が終っても古いチェーンはそのまま残す。
・チェーンを入れ替える
古いチェーンと新しいチェーンをタイラップで仮止めをする。
古いチェーンをゆっくりと引っ張り新しいチェーンと入れ替える。新しいチェーンに入れ替わったらタイラップを切り古いチェーンを外す。
※この時に、チェーンとスプロケットに手を挟まない様に注意する。
・チェーンを調整する
チェーンの長さを調整するためにスプロケットにセットする。余分なチェーンは先ほどのチェーンカットと同じ要領でカットする。
【目印の為にタイラップをカットするコマに巻き付けておくと間違えにくい。】
【ドライブチェーンは長いものを短くカットする事は可能ですが、短いものに継足しをする事は安全上推奨しておりません。切り間違え等には十分ご注意頂けます様、お願い致します。】
新品のチェーンは伸びていないのでアジャスターを緩めてリアタイヤを前に出さないと届きません。
・ジョイント作業
シールチェーンの場合下記部品が必要になるので事前に同梱されているか確認しておく。
・ジョイントリンク(足立側)×1
・シール×4
・外プレート×1
・塗布用グリスが同梱
同梱されているグリスをジョイントリンク(足立側)のピンとシールに満遍なく塗り、ジョイントリンク(足立側)のピンにシールを2個セットする。
新しいチェーンのブッシュ部分(ピンが入る部分)にグリスを入れる。チェーンの両側に入れる。
ずれないように、スプロケット部分でチェーンを合わせて裏からジョイントリンク(足立側)を差し込む。
残り2つのシールもグリスを満遍なく塗り、差し込んだジョイントリンク(足立側)ピンにセットする。その上から外プレートを取り付ける。
・プレートの圧入作業
仮止めしたジョイント部分を車両の下(作業しやすい場所)に移動する。
U字ホルダーのくぼみ(2つの穴)にチェーンのピンが入るように裏側から合わせる。
ボルト内に入っているカット&カシメピンをカシメ側が上になるように装着し、圧入プレートをカシメピンの上に装着する。U字ホルダーに本体を取り付ける
【取付が難しい場合は、圧入プレートは後から差し込みましょう】
かしまる君のU字ホルダーはAの位置で合わせ、圧入プレートがチェーンのプレートに当たるように仮止めをする。
27mmと19mmのメガネレンチで締めこんでいく。力いっぱいではなく、普通の力でレンチが重くなるところまで回す。ここで一度、かしまる君を外す。
圧入プレートを使用して他のチェーンのプレートと水平かどうかと屈曲が固くないか(屈曲するかどうか)を確認する。
・ピンのカシメ作業
U字ホルダーのくぼみ(2つの穴)にチェーンのピンが入るようにセットして本体を取り付ける。【この時はかしまる君のU字ホルダーはBの位置で合わせる。】
ボルトを手で廻し、カシメピンにきっちり入っているか確認しながら仮締めする。
27mmと19mmのメガネレンチを使い、カシメ作業を行う。普通の力で締めていき、固くなったらゆるめる。
【カシメすぎても失敗します。下記にピンの直径を測定する事で管理する方法があります。】
かしまる君本体を外し、カシメ&カットピンで正しくカシメられているかチェーンのカシメたピンに当てて確認する
【カシメ不足だとピンが入らない】
カシメたピン先端の直径をノギス測り、適切にカシメられているか確認できます。
DIDチェーンはカシメ完了の目安となるピンの直径サイズを公開してくれています。
D.I.Dチェーンジョイントカシメ寸法
こんな感じでノギスで図ります。
駆動側方向側が5.9mmで合格です。
5.9mmで合格です。
ピンの測定でOKでしたが少し心配でしたので次の日にノギスでちゃんと図りました。数値できちんと合否がでるのは安心できるので測定しました。
片側が出来たら同様に、1コマずらしてもう一方をカシメる。
・作業完了したら
作業が完了したらジョイント部を触ってみてスムーズに屈曲されるか、また、タイヤ部を回転させてみて確認する。
必要に応じてチェーンの遊びを確認します。ここでチェーンの動きが渋かった場合は、なにかトラブルがあると思われますので、やり直しの必要があります。
チェーンの張り調整をして交換作業は完了です。試運転は極低速でを行う。
新品チェーンはグリスでドロドロです。そのまま試運転するとグリスが飛び散りますので、チェーン外側のローラーを2周くらいウエスなどで拭き取っておくと良さそうです。
ウエスで拭いたけど試運転に行ったらグリスでドロドロになりました・・・
新しいチェーンは最初少し伸びるので細目にチェーンを確認してください。キャプトンマフラーはチェーン調整が面倒だけど・・・それでもマフラー外さなくても調整出来るようになったから良しとするか
困ったらバイクショップにお願いをする。
メンテナンスが苦手な人は交換手順をみて不安に感じる人もいると思います。私もその一人でした(笑)なんとか自分でメンテナンスしたいという気持ちがあったので、ちょこちょこ道具を揃えながら動画をみたりバイクショップの作業を見たりしていたら不安が少なくなりました。
メンテナンスが苦手な人は良くわからなかったりと、メンテナンスを怠ってしまう要因もあると思います。メンテナンスはバイクにとっても重要です。メンテナンスを怠ると事故や遠方での故障に繋がります。不安があるのであればバイクショップへ依頼して愛車を快適な状態で維持しツーリング等を楽しみましょう。
※自分のバイクを整備するための忘記録的な意味で書いていますので一部他のバイクで合わない部分などあると思いますが、整備初心者の素人が作成していますのでお許し願います。完璧を求める方は他に素晴らしい整備記録のHPがありますのでそちらをご参考願います。
自分の愛車を整備したら写真や困ったことなどUPしていきたいと考えています。
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